「第10回ふるさと貢献賞」受賞団体が決まりました
公開日:2021/02/21
第10回ふるさと貢献賞
地域に貢献する17団体・個人を表彰
公益財団法人静岡新聞・静岡放送文化福祉事業団と静岡新聞社・静岡放送の「第10回ふるさと貢献賞」の受賞17団体・個人が決まりました。地域のために献身的な活動を続ける団体や個人を顕彰する制度で、学校、団体、企業などから多くの推薦が寄せられました。選考委員会による審査の結果、学校の部5団体、団体・企業の部8団体、個人の部4人を選びました。
受賞団体・個人(敬称略、順不同)
学校の部
オイスカ高等学校(浜松市西区)
- 浜松市の遠州灘海岸の浜辺と松の木を守る「浜と松プロジェクト」に取り組んでいます。生徒が海岸清掃や植栽したクロマツの手入れを行い、災害に強く景観豊かな海岸林づくりに貢献しています。約20年前に環境学習の一環で海岸のごみを拾ったのを機にスタート。4年前に松の木を植えた西区の防潮堤では除草に励み、中田島砂丘では市民団体と協力して音楽ライブを開き海岸浸食問題の啓発にも努めています。
県立磐田農業高校生産流通科(磐田市)
- 校内のミカン園で地元の園児や親子らを対象にした収穫体験支援を18年前から続けています。2、3年生が栽培管理の知識を生かし、子供たちの食農教育や特産ミカンの情報発信に貢献しています。2019年度の受け入れは保育園や幼稚園、子育てサークルなど21団体約900人まで広がり、18年度からは3年生の一部生徒が保育園2校と連携して野菜栽培から収穫、試食まで一貫して支援に関わるグループ研究を開始しました。
浜松市立都田中学校放歌踊倶楽部(浜松市北区)
- 室町時代に起源を持つ郷土芸能「放歌踊(ほうかおどり)」の歴史を知り、次世代に継承することを目的に始まりました。校内から集まった有志メンバーは、歌や笛、太鼓などを地元の「瀧澤の放歌踊保存会」から指導を受け、各種大会や文化祭で成果を披露しています。
誠恵高等学校(沼津市)
- 沼津市の沼津御用邸記念公園の清掃活動を毎年続け本年度で30年目を迎えます。学年を超えた活動は生徒同士の交流にもつながり、伝統ある美化活動は名勝の保全や生徒の郷土愛醸成に一役買っています。
松薫学園 焼津高等学校 書道部(焼津市)
- 2010年から地域の行事や高齢者施設に出向き、書道パフォーマンスを披露しています。約5分の音楽に合わせ縦横4.5mほどの大型作品を仕上げます。したためる文字や配置は生徒が行事の趣旨に合うように事前に考えています。高齢者施設でのパフォーマンスでは生徒の真剣な姿を見て涙を流すお年寄りも少なくないそうです。
団体・企業の部
富士宮高校会議所(富士宮市)
- 市内の高校生有志らが学校の垣根を越えて集まり、にぎわい創出イベントや新商品開発など幅広い取り組みを通じ、持続可能な社会の実現に向け日々議論を重ねています。2020年は全国の高校会議所などが集まる日本高校会議所の総会を開催。富士宮特産ニジマスの残渣(ざんさ)と朝霧高原で育てる牛のふんに着目して開発したリサイクル堆肥「マスマス元肥」は、実際に農家で使ってもらうなど普及活動を進め、その評価も得ています。
陸上自衛隊 滝ヶ原駐屯地(御殿場市)
- 1960年の駐屯地発足以来、地域の清掃奉仕を続けています。「地域あっての駐屯地。互いが良い方向に進むため仕事以外の時間を有効活用している」といいます。隊員有志約20人が毎月1回勤務前の1時間程度、駐屯地前の通称滝ケ原街道のごみ拾いや草刈りに汗を流し、近くの忠霊塔や河川の清掃にも当たっています。
おはなし長屋 運営スタッフ(藤枝市)
- 「地縁の絆」と「ご近所福祉」をテーマに2階建て家屋を開放し、地域の高齢者や子どもたちの「居場所」として提供しています。子どもたちには地域で採れた野菜をふんだんに使った食事の提供や学習支援、高齢者向けには論語の学習や演芸鑑賞などを実施しています。
よみきかせ会「ひまわり」(掛川市)
- 1981年から図書館で絵本の読み聞かせを続けています。学校や高齢者サロンでの出張公演も含めて1800回超、延べ約6万人に本の楽しさを伝えてきました。今の会員は21人。毎週水曜が活動日で、手遊びや手品といった各自の特技を交え飽きさせない構成で人気を集めています。
ふるさと岩波の水路を守る会(裾野市)
- 江戸時代に御殿場市神山の久保川から裾野市岩波地区に水を引き、田畑を潤した大淵堰(おおぶちぜき)岩波用水路の復元保全活動に2009年から取り組んでいます。水の恵みをもたらした先人の偉業と豊かな自然環境を後世に残したいと、土に埋まった川の一部を復活させ、水路沿いの耕作放棄地を田畑やビオトープに再整備しました。久保川の土手には桜を植樹、地元の子ども向けに田植え体験やホタルの観賞会など行っています。
三島ホタルの会(三島市)
- 今年で結成30年。「ふるさとの川にホタルを再び飛ばそう」を合言葉に有志が集まりました。ホタルの幼虫を飼育し源兵衛川などへの放流を続けています。夏になると中心市街地に数百匹のホタルが観測され三島の名物にもなっています。小学生がホタルや環境について学ぶ「ホタルの楽校」事業も行っています。
静岡木遣保存会 東嘉会(静岡市葵区)
- 60~81歳の男女30人が毎月3回の稽古に励み、伝統の木遣(きや)りを受け継ぐ活動をしています。こぶしの効いた力強い歌声を神事やイベントで披露し活気づけます。近年は地元高校の演劇部とコラボしたパフォーマンスを企画するなど、継承活動に工夫を凝らしています。
湖西民謡保存会(湖西市)
- 詩人北原白秋が浜名湖周辺の情景を表現した「鷲津節」など湖西民謡3曲の保存・伝承・普及活動を続け今年40周年を迎えます。イベントや高齢者施設で踊りやおはやしを披露したり、寄付を集めJR鷲津駅前に鷲津節の歌碑を建立しました。近年は湖西高で鷲津節の出前授業を行うなど若い世代に向けても発信しています。
個人の部
山口 東司さん(78歳、三島市)
- 三島市中心部の水辺環境を守り続けて20年になります。県指定の絶滅危惧種ミシマバイカモの管理やホタルの生育環境の整備も定期的に取り組むほか、環境教育活動の講師も務め、「水の都」と呼ばれる三島の魅力を発信しています。
白澤 孟さん(88歳、静岡市葵区)
- 47年間にわたり、地元の安東小に登校する児童たちの見守り活動を続けています。タクシー会社に勤務する傍ら、多発する交通事故を防ごうと思い立ったのがきっかけで、毎朝午前4時起きで校門前の横断歩道に立つほか、校内のビオトープの手入れや交通安全を呼び掛けるチラシの配布、他のボランティア活動も積極的に取り組んでいます。
青島 清一さん(88歳、静岡市葵区)
- 建具職人として60年培った技術や知識を生かし、子ども向けに伝統工芸の講話や木工体験を行い、ものづくりに触れる機会を無償で提供しています。体験キットはすべて手作りで、機械が空く休日を使って用意します。静岡特産功秀会会長として県内の伝統技術の普及にも力を注いできました。
澁谷 幸子さん(80歳)、澁谷 博明さん(83歳、三島市)
- 1991年に地域花壇を管理する「青葉台花の会」を立ち上げました。アルミ缶や古紙の回収で活動資金を集め、四季折々の花で人々の目を楽しませ安らぎを与えてきました。6年ほど前、幸子さんが病を患い、以後は博明さんが介護しながら活動を続けています。
令和3年1月27日の静岡新聞朝刊に、「第10回ふるさと貢献賞」の特集面が掲載されています。各個人・団体が写真付きで紹介されていますので、ご覧ください。